「両親の年齢とともに、家の中での転倒が心配になってきた」「障がいのある家族が自立して生活できる環境を整えたい」そんな悩みをお持ちの方は少なくありません。バリアフリーリフォームは、これらの問題を解決する有効な方法です。

静岡県では、地震や津波のリスクも考慮する必要があり、バリアフリー化と防災対策の両立が求められます。また、古い木造住宅が多い地域特性から、リフォームの可能性や費用、補助金制度について疑問をお持ちの方も多いでしょう。

この記事では、静岡県でバリアフリーリフォームを検討されている方に向けて、知っておくべき重要な情報をわかりやすくまとめました。リフォームの種類や効果、補助金制度、そして施工事例を紹介し、地域特有の課題にも触れています。ぜひ、具体的な計画を立てる際の指針としてお役立てください。

この記事は、次のような方におすすめです。

• 高齢の家族の転倒リスクを軽減したい方
• 障がいのある家族のために住環境を改善したい方
• 将来の介護に備えて、今から住宅のバリアフリー化を検討している方

1. バリアフリーリフォームの種類と解決できる問題
2. 静岡県のバリアフリーリフォーム補助金・助成金制度
3. 私たちのバリアフリーリフォーム事例
4. リフォーム会社選びのポイント
5. よくある質問（Q&A）

この記事を書いた専門家

テンイチ　管理部　営業企画課

1．バリアフリーリフォームの種類と解決できる問題

バリアフリーリフォームには様々な種類があり、それぞれが特定の問題を解決します。主な種類と、それらが解決する問題を紹介します。

段差解消と避難経路の確保：安全な移動と緊急時の対応

概算費用：10万円〜50万円

家庭内の段差解消に加え、地震や津波に備えた避難経路の確保が重要です。玄関、部屋の間、浴室などの段差をなくし、同時に避難しやすい動線を確保することで、日常生活の安全性と緊急時の対応力を向上させます。

耐震補強を兼ねた手すりの設置：安定した動作と建物の強化

概算費用：1本あたり2万円〜7万円

手すりの設置は移動時の安定性を高めるだけでなく、適切に設計すれば建物の耐震性能も向上させることができます。特に古い木造住宅では、構造材と一体化した手すりの設置が効果的です。

浴室改修：安全で快適な入浴環境と水害対策

概算費用：70万円〜200万円

滑り止め床材の使用、浴槽の高さ調整に加え、浴室の床上げや排水設備の強化により、豪雨時の浸水リスクも軽減できます。

家具の固定と収納改善：転倒防止と空間確保

概算費用：30万円〜100万円

地震時の家具転倒を防ぐため、壁面収納の設置や家具の固定を行います。同時に、車椅子での移動を考慮した収納配置により、日常生活の利便性も向上させます。

照明の改善と非常用電源の確保：視認性向上と災害時対応

概算費用：1箇所あたり1万円〜5万円

明るさの確保や足元灯の設置に加え、太陽光発電システムや蓄電池の導入により、災害時の電力確保も可能になります。

これらの改修を適切に組み合わせることで、高齢者や障がいのある方の生活の質を大きく向上させることができます。各家庭の状況やニーズに合わせて、最適なバリアフリーリフォームプランを策定することが重要です。

2．静岡県のバリアフリーリフォーム補助金・助成金制度

静岡県では、バリアフリーリフォームを支援するための補助金・助成金制度が整備されています。これらの制度を活用することで、経済的な負担を軽減しながら必要な改修を行うことができます。

静岡市あんしん住まい助成制度：高齢者向け住宅改修支援

この制度は、高齢者や要介護・要支援認定を受けた方の住宅改修を支援するものです。65歳以上で要介護・要支援認定を受けた方が対象となり、最大100万円の助成金が受けられます。ただし、所得制限があり、家族の所得税合計額が39万7千円以下であることが条件です。助成率は世帯所得に応じて費用の50%〜100%となっています。

改修項目別の上限額は以下の通りです。

介護保険の住宅改修費支給：要介護者向け改修補助

介護保険制度では、要介護・要支援認定を受けた方を対象に、住宅改修費の支給を行っています。この制度では、上限20万円の補助金が受けられます。対象となる改修工事には、手すりの取り付け、段差の解消、滑り防止などが含まれます。

補助金申請時の注意点

バリアフリーリフォームの補助金を申請する際は、以下の点に注意が必要です。

• 申請期限の確認： 多くの補助金制度には申請期限があり、予算枠に達すると締め切られる場合があります。早めの情報収集と申請準備が重要です。
• 事前申請の必要性： 多くの場合、工事着手前に申請書類を提出する必要があります。工事を始めてから申請することはできないので、計画段階から申請手続きを視野に入れておきましょう。
• 税金滞納のチェック： 税金の滞納がある場合、申請できないケースがあります。市税などの滞納がないか事前に確認し、必要に応じて対応しておくことが重要です。
• 必要書類の準備： 一般的に、介護保険証、住民票、工事見積書などが必要となりますが、自治体によって要求される書類が異なる場合があります。事前に必要書類を確認し、漏れなく準備することがスムーズな申請につながります。

制度活用のポイント

これらの制度を利用する際は、事前に詳細な条件や申請手続きを確認することが重要です。地域や個人の状況によって利用できる制度が異なる場合もあるため、お住まいの市区町村の窓口や専門家に相談することをおすすめします。

3．私たちのバリアフリーリフォーム事例

私たちは、静岡県を中心に活動する創業約70年の歴史を持つリフォーム会社です。優良リフォーム会社紹介サイト「ホームプロ」では13年連続で静岡県内成約件数No.1を達成し、「顧客満足優良会社」として5年連続で表彰されています。年間施工数は約3,000件にのぼり、その豊富な経験がバリアフリーリフォームにも活かされています。

事例1：診療所から快適な住まいへの総合的なバリアフリー改修

私たちが手がけた印象的な事例の一つが、築40年の診療所をバリアフリー仕様の住まいに大改修したプロジェクトです。

移動の自由度を高める設計

この改修では、リビングと玄関の2カ所から自由に出入りできる設計を採用し、移動の自由度を高めています。また、窓を2重窓にすることで断熱・防音性を向上させ、快適な室内環境を実現しています。

介護に配慮した浴室設計

浴室には介護を考慮してベンチを設置し、介助が必要な場合でも安心して使用できるよう工夫されています。さらに、住まい全体が車椅子での移動を考慮した設計になっており、将来的な身体状況の変化にも対応できる柔軟性を備えています。

事例2：サニタリールームの安全性向上リフォーム

もう一つの注目すべき事例は、サニタリールーム（浴室・洗面室・トイレ）の安全性を大幅に向上させたリフォームです。

段差解消と手すりの設置

この改修では、サニタリールーム全体の床の段差をなくし、適切な場所に手すりを設置することで、安全性を高めた住環境を実現しています。

浴室レイアウトの最適化

特に浴室では、レイアウトを変更することで使いやすさと安全性を大幅に向上させています。洗い場のスペースを広げ、浴槽の出入りがしやすい位置に変更するなど、細部まで配慮された設計となっています。

カスタマイズされた設計アプローチ

これらの事例は、私たちが提供するバリアフリーリフォームの一部に過ぎませんが、利用者の生活をより安全で快適にするための綿密な計画と工夫が施されていることがわかります。各プロジェクトでは、居住者の個別のニーズに応じてカスタマイズされた設計が行われており、それが私たちの強みとなっています。

4．リフォーム会社選びのポイント

適切なリフォーム会社を選ぶことは、成功するバリアフリーリフォームの鍵です。以下のポイントを考慮しながら、自分に合った会社を選びましょう。

豊富な施工実績

まず、バリアフリーリフォームの施工例が豊富かどうかを確認することが重要です。経験豊富な会社は、予期せぬ問題にも適切に対応できる可能性が高くなります。

専門知識と資格

次に、スタッフの資格や専門知識も重要な選択基準です。例えば、福祉住環境コーディネーターなどの資格を持つスタッフがいる会社は、専門的な観点からアドバイスを提供できるでしょう。

充実したアフターフォロー

さらに、アフターフォローの体制も確認しましょう。工事後のサポートが充実している会社を選ぶことで、長期的な安心が得られます。

透明性のある見積もり

見積もりの透明性も重要なポイントです。費用の内訳が明確で、追加料金などの不透明な部分がない会社を選ぶことで、予算管理がしやすくなります。

顧客評価と口コミ

最後に、過去の顧客からの評価や口コミも参考にしましょう。実際に利用した人の声は、会社の信頼性を判断する上で貴重な情報源となります。

私たちのような実績豊富な企業を選ぶことで、これらのポイントをおおむね満たすことができ、安心してリフォームを任せることができるでしょう。

5．よくある質問（Q&A）

バリアフリーリフォームに関して、よくお寄せいただく質問とその回答をまとめました。

Q1: バリアフリーリフォームの費用はどのくらいかかりますか？

A: 費用は改修の範囲や内容によって大きく異なります。一般的に、トイレの改修で30〜50万円、浴室の改修で50〜100万円程度かかることが多いですが、全体的な改修では100万円を超えることもあります。詳細な見積もりについては、個別のご相談で対応させていただきます。

Q2: リフォーム工事の期間はどのくらいですか？

A: 工事の規模によって異なりますが、一般的なバリアフリーリフォームの場合、1〜2週間程度で完了することが多いです。大規模な改修の場合は1ヶ月以上かかることもあります。

Q3: 賃貸住宅でもバリアフリーリフォームは可能ですか？

A: 賃貸住宅の場合、大家さんの許可が必要です。また、退去時の原状回復義務がある場合もあるため、事前に大家さんとよく相談することをおすすめします。

Q4: 将来の介護に備えて、今からできる準備はありますか？

A: 将来の介護に備えて、段差の解消や手すりの設置など、基本的なバリアフリー化を進めることをおすすめします。また、ドア幅を広げるなど、将来的に車椅子での生活にも対応できるような改修を検討するのも良いでしょう。

Q5: バリアフリーリフォームは家の価値を上げますか？

A: バリアフリーリフォームは、高齢者や障がいのある方にとっての住みやすさを向上させるため、そういった方々をターゲットにした場合、家の価値を上げる可能性があります。ただし、一般的な不動産価値としては、大きな影響を与えない場合もあります。

まとめ

バリアフリーリフォームは、高齢者や障がいのある方の生活の質を大きく向上させる重要な取り組みです。本記事でご紹介したように、様々な種類の改修があり、それぞれが特定の問題を解決します。

静岡県では、バリアフリーリフォームを支援する補助金・助成金制度が整備されており、これらを活用することで経済的な負担を軽減できます。ただし、申請には注意点もあるため、事前に十分な情報収集が必要です。

リフォーム会社を選ぶ際は、実績、専門知識、アフターフォロー、見積もりの透明性、顧客評価などを総合的に判断することが重要です。信頼できる業者を選ぶことで、より満足度の高いリフォームが実現できるでしょう。

バリアフリーリフォームは、単なる住環境の改善ではなく、家族全員の安心と安全を確保するための投資です。将来を見据えて、今できる準備から始めることをおすすめします。

ご不明な点やより詳細な情報が必要な場合は、専門家や地域の福祉関連機関にご相談ください。また、私たちも皆様のバリアフリーリフォームに関するご質問やご相談をお待ちしております。適切な情報と助言を得ることで、快適で安全な暮らしのための最適なバリアフリーリフォームプランを立てることができるでしょう。