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徹底考察!リフォームか建て替えを決めるための診断ポイント

家の修繕は大きな出費ですから慎重に決めていきたいものです。リフォームにするか建て替えにするか迷うこともあるでしょう。当座にかかる費用の差だけで決めてはいけません。一見当座は安く見える場合でも、長い目で見れば結局は高くつくこともあるのです。それでは、リフォームにするか建て替えにするかを判断するために、それぞれのメリットとデメリットを徹底考察してみましょう。

  1. リフォームのメリット・デメリット
  2. 建て替えのメリット・デメリット
  3. リフォームか建て替えかを決める3つの診断ポイント

1.リフォームのメリット・デメリット

1-1.リフォームのメリット

リフォームは、いまの家の使用できる部分はそのまま利用するので、費用の面でのメリットがあるのは確かです。リフォーム中の廃棄物も建て替えに比べればはるかに少なく、新たな材料費も通常は少なく済みます。また、リフォームの場合は、手をつけない家の部分はそのまま使用できますので、家に住みながら工事を進めることができるわけです。工事中に引っ越しをする必要もないのは、時間と費用の節約となるでしょう。このように当座の総費用を考えるならば、確かにリフォームは魅力的に思えるはずです。

1-2.リフォームのデメリット

自由がきかない工事になりやすいという点がリフォームの最大のデメリットです。リフォームではあっても、もし最終的な建物の平米数が変わるなら確認申請を行わなければいけません。ですから、通常はリフォームは平米数を変えずに、同じ構造で中身だけを変えるという工事になるのです。そうすると、もともとの構造に左右された間取りになるため、工事後の大きな変化を期待できません。また、省エネ設備などの新たな機能を取り込むためには、既存のものをそのまま使用するのは難しいこともあるでしょう。

1-3.リフォームをする前に確認したい点

リフォームや建て替えは家族構成の変更をきっかけにすることが多いようです。当座の必要で決定するよりも、将来の家族構成の変化を長期目線で考えましょう。リフォームは新たな機能を取り込みにくいものです。それによって、引き続き支払う光熱費のことを考えると、建て替えのほうがよいという判断になることもあります。このような継続的な費用も考えておく必要があるわけです。また、せっかく見かけはキレイになっても、断熱や結露対策を解決していないなら、結局早めに修繕が必要になることもあります。特に基礎などの見えないところを確認しておいてください。シロアリや腐食、ひびや傾きなどがあれば、リフォームをしても無駄になりかねません。

2.建て替えのメリット・デメリット

2-1.建て替えのメリット

既存のものを利用するリフォームよりも、建て替えのほうが建設工事はしやすいものです。ですから、修繕部分の量や重要部分の変更が多いのであれば、結果的にリフォームよりも建て替えのほうが安くつくこともあります。最初から建て替えるわけですから、間取りなどの計画も自由です。あこがれの家のデザインを実現するチャンスにもなります。住宅の機能をアップするため、断熱や耐震、省エネやバリアフリーなどを取り込みたいでしょうか?そうであれば、建て替えのほうが目的に沿ったデザインや構造にしやすいはずです。建て替えのときには費用がある程度かかっても、それによって光熱費などが安くなることもあります。長い目で見れば、結果的には建て替えとリフォームには大きな費用の変化がないこともあるのです。

2-2.建て替えのデメリット

建て替えの場合は、まだ使える部分も解体して取り壊すことになりますので、廃棄物も多くなり費用がかさみます。また、家が取り壊されるということは、工事の最中は数ヶ月のあいだどこかに引っ越さなければならないということです。また、家が新しくなったときにまた引っ越しなおさなければなりません。このように必ず2回必要になる引っ越しの費用も考えておかなければならないわけです。建て替えによって建物の構造が変わりますから、確認申請や新たな登記も必要になります。忘れがちなのは家の備品もそのほとんどを買いなおすことになることです。カーテンや電気をはじめ、家具やインテリアはいかがでしょうか?以前の家具をそのまま使うことに抵抗を感じる家族もいることもあります。建設会社へ払う費用以外の必要経費も計算にしっかりいれて考えましょう。

2-3.建て替えをする前に確認したい点

建て替えをすることによって、以前より小さな家しか建てることができない場合もあります。たとえば、建ぺい率や調整区の変更など、地域ごとの条例の変更によって生じるものによってそうしたことが生じるのです。地元の法務局などでも確認できますので、建て替えの計画を立てる前に調べておきましょう。建て替えをしたとしても、家のメンテナンスは継続的に必要です。10年ごとにそれなりの規模のメンテナンスのための費用がかかります。この点も予定にいれたローンの組み方も考えて、建て替えの費用とその他すべての費用をまかなえるかどうかを決定できるでしょう。

3.リフォームか建て替えかを決める3つの診断ポイント

3-1.費用面からの診断

リフォームや建て替えにかかる費用は当座支払う費用だけで考えてはいけません。少なくとも20年のトータル計算を出してみましょう。当座かかる金額に加えて、20年以内に必要なメンテナンスや付加的なリフォームも忘れてはいけません。また、リフォームでは実現できない省エネ構造などは、今後20年の光熱費にどれほどの影響を与えるでしょうか。建て替えにかかる建設費以外の費用は計算にいれていますか。無理な資金計画はせっかくの快適な家の暮らしを台無しにしかねません。現実的な計画を長い視野で考えましょう。

3-2.構造面からの診断

一般的に既存(きぞん)の家を70%以上変更する予定であれば、建て替えのほうが費用面でも得であると言われています。また、トイレや台所の位置を変えるような配管周りの修繕が必要であれば、比較的構造が簡易な部屋も一緒に建て替えるほうがよい場合もあるようです。動かすことのできない柱や壁の変更や、基礎などの重要部分の修繕がどうしても必要な場合なら、建て替えがよいでしょう。一方、水回りの変更や重要部分の変更が必要ではないなら、リフォームで十分であるはずです。構造面では素人が判断するには限界がありますので、信頼できる専門家に相談するとよいでしょう。

3-3.目的面からの診断

そもそもリフォームか建て替えかを考え始めたきっかけは何でしょうか?その本来の目的を忘れないようにしましょう。つい話が盛り上がって、または建設会社の熱意に押されて決定してしまうことがないようにしてください。子供が独り立ちする、または介護の必要があるなど家族構成の当座の変化もリフォームや建て替えを考えるきっかけです。その本来の目的にかなうのはリフォームなのか建て替えなのか考えましょう。省エネやバリアフリーなどの新たな機能を取り込むのが目的であれば、その目的を実現できるのがどちらなのかを考えるならば決定も容易になってくるのです。

まとめ

このようにリフォームか建て替えかは当座払う建設工事の費用だけで決めることはできません。

  • 20年以内に必要となる長期的な費用はどうか
  • 構造を変更する部分がどこなのか
  • そもそもの目的は何か

などをしっかりと診断要素として考えましょう。

リフォームにしても建て替えにしても、その後の家のメンテナンスは不可欠です。特に屋根や壁のメンテナンスは定期的に、そして費用を惜しまず行いましょう。自分の家を自分でよく把握するようにしてください。ちょうど、人も定期検診と早期発見が大切であるのと同じです。リフォームでも建て替えでも、新しくなった家はその後も定期的に確認し、必要なメンテナンスを行いましょう。そうすれば、思い入れのある我が家を長く使っていくことができるようになります。

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