外壁から雨漏りする原因と対処方法を解説。屋根からの雨漏りとの違いは?
雨漏りというと、「屋根が破損して起こるもの」と思っている人が多いでしょう。しかし、外壁の劣化や破損によって雨漏りをするケースも珍しくありません。しかも、外壁からの雨漏りは気がつきにくく、発見したときには雨漏りによって家がかなり傷んでいたということもあります。また、「屋根を調べたが問題はなかった。では、どこから雨漏りしているのか」と悩んでいる人もいるでしょう。 今回は、外壁から雨漏りがする理由や、対処方法を解説します。
- 外壁から雨漏りする原因や症状
- 雨漏りが起こっている可能性がある外壁とは?
- 外壁が雨漏りした場合の対処方法
- 外壁からの雨漏りに関するよくある質問
この記事を読めば、外壁からの雨漏りを防ぐ方法も分かるでしょう。外壁から雨漏りがして困っているという人や、外壁からの雨漏りを予防したいという人は、ぜひ読んでみてくださいね。
1.外壁から雨漏りする原因や症状
はじめに、外壁から雨漏りすると出る症状や雨漏りの原因を解説します。
1-1.外壁から雨漏りする原因
外壁から、雨漏りする原因には以下のようなものがあります。
- サイディングのシーリング材(コーキング材)の劣化
- 外壁にできた太さ3㎜以上のひび(クラック)
- サイディングの反り、壁の変形
- 水きり金具のサビや劣化
- サイディングやモルタルの破損
なお、築10年未満の家で台風など大規模災害に遭遇していないにも関わらず外壁から雨漏りが起きる場合は、工事に不具合があった可能性があるので、一度施工業者にチェックしてもらいましょう。
1-2.外壁から雨漏りがすると出る症状
水は上から下へ落ちます。そのため、屋根から雨漏りすると天井に雨水によるシミができたり水がたれてきたりするでしょう。一方、外壁からの雨漏りは「二次防水」と呼ばれる防水紙で食い止めるため、なかなか家の内部にまで水が浸透しません。しかし、二次防水が突破されると、以下のような症状が出ます。
- 壁紙に雨水によるシミができる
- 雨が降ると、雨水が窓枠から落ちてくる
- 壁紙の内側がカビてはがれてくる
- 壁がカビ臭くなる
- 壁が湿っぽい
- 壁に水滴が浮いている
なお、このような症状が出た場合、雨漏りがかなりひどくなっている場合が多いでしょう。
1-3.雨漏りを放っておく危険性
雨漏りを放っておくと、外壁の内部にまで雨水が侵入して湿気やカビの原因となります。断熱材が水浸しになれば、そこにカビが生えることもあるでしょう。また、壁内の木材が腐食する可能性もあります。つまり、雨漏りを放っておけば家自体の寿命が短くなるのです。また、カビが生えると空気中にカビの胞子が混ざり、アレルギーの原因となることもあるでしょう。健康にも悪影響が出るのです。
2.雨漏りが起こっている可能性がある外壁とは?
以下のような外壁は、雨漏りが起こっている可能性があります。築10年以上がたち、まだ外壁塗装のリフォームを行っていないお宅は、一度チェックしてみましょう。
- シーリング材が劣化してひび割れたり一部がはがれたりしている外壁
- 一部がへこんだり、破損している外壁
- 幅が3㎜以上あるひびが入っている外壁
- 水きり金具が腐食している外壁
経年劣化以外にも、台風などのときに何かが強く外壁に当たり、その衝撃で外壁にひびやへこみができることもあります。災害が起きた後でも、外壁をチェックしてみてください。
3.外壁が雨漏りした場合の対処方法
この項では、外壁が雨漏りした場合の対処方法を紹介します。
3-1.応急処置
台風などの災害時に外壁から雨漏りがしていることが分かったなどという場合、雨漏りの原因と思われる場所にビニールシートをかぶせたり、防水テープを貼ったりしましょう。そうすれば、一時的に雨漏りを止めることができます。ただし、あくまでも応急処置です。
3-2.業者に雨漏りの調査をしてもらう
雨漏りの原因となった場所や雨漏りの規模は、個人では分かりません。外壁からの雨漏りの調査や修理に実績が豊富な業者に依頼し、雨漏りの調査をしてもらいましょう。最近ではサイトを開設している業者も多く、実績などを簡単に知ることができます。ただし、飛び込みで「外壁を無料で調査します」と言ってくる業者には依頼しない方がいいでしょう。このような飛び込み営業の業者に依頼すると、後で料金等を巡ってトラブルになる可能性があります。
3-3.外壁の修理方法
雨漏りをする外壁の修理方法には、以下のようなものがあります。
- シーリング材の補修や取り換え:費用数万円~・期間1~2日
- ひび割れの修繕:費用数万円~・期間1~2日
- 水きり金具の修理・交換:費用数万円~・期間1~3日
- 外壁塗装の塗り替え:費用100万円~・期間10~14日
- サイディングの全面張り替え:費用200万円~・期間10~15日
- モルタルやサイディングの外壁全体を金属カバーで覆う::費用200万円~・期間10~15日
どのような工事方法になるかは、雨漏りの規模や外壁の状態によって異なるので業者とよく相談してください。なお、外壁の種類や家の状態によっては修理工法が限られることもあります。
3-4.雨漏りの修理を依頼する業者の選び方
前述したように、雨漏りの調査や修理は実績豊富な業者を選びましょう。値段が安い業者は魅力的ですが、必要な工事をわざとせずに値段を下げる業者もいます。可能ならば、複数の業者から見積もりを取り、極端に価格が安い業者は理由を説明してもらいましょう。明確な説明をしてくれない場合は、その業者には依頼しない方がいいですね。施主の質問に誠実に答えてくれる業者などを選びましょう。
4.外壁からの雨漏りに関するよくある質問
この項では、外壁からの雨漏りに関するよくある質問を紹介します。
Q.外壁の雨漏り修理の費用を安くするためには、どうしたらいいでしょうか? A.雨漏りを早期発見するか、雨漏りが起こらないように定期的に外壁をチェックして修繕し続けることが大切です。
Q.外壁の経年劣化はどのくらいで始まりますか? A.築8~10年くらいで劣化が始まると言われていますが、家が建っている環境によって異なるのであくまでも目安です。
Q.モルタルとサイディングならば、サイディングの方が雨漏りしにくいでしょうか? A.そうとも限りません。こまめに補修しているモルタルの方が、経年劣化しても修繕しないサイディングより雨漏りしにくいでしょう。つまり、定期的な手入れが大切です。
Q.施工ミスが疑われる場合は、どうしたらいいでしょうか? A.まずは施工業者に連絡し、取りあってもらえない場合は欠陥住宅の相談ができる機関に相談してください。
Q.外壁塗装を定期的に行っていれば、雨漏りを予防できますか? A.はい。外壁塗装の際に細かいひびや劣化したシーリングなども補修するので、雨漏りをある程度は予防できるでしょう。
まとめ
いかがでしたか? 今回は外壁から雨漏りする原因や対処方法を紹介しました。どんな家でも手入れ不足や環境によって外壁から雨漏りする可能性があります。定期的に外壁の様子をチェックし、雨漏りする可能性がある劣化を見つけたら、早めに業者に依頼し、補修しましょう。また、雨漏りを放っておいてはいけません。早く修理するほど費用も安く済みます。