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省エネ住宅のメリット・デメリットは? リフォーム前に知るべきこと

近年、省エネが注目されるようになり、「省エネ住宅」という言葉もよく耳にするようになりました。エネルギーの消費量が少ないことで知られる省エネ住宅ですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか? 省エネ住宅へのリフォームを検討している方は、メリットだけでなくデメリットや選び方などポイントをつかんでおかなければなりません。

そこで本記事では、省エネ住宅のメリット・デメリット、選び方、制度について解説します。

  1. 省エネ住宅とはどういうもの?
  2. 省エネ住宅の制度を知ろう!
  3. 省エネ住宅のメリット・デメリットを解説!
  4. 省エネ住宅の選び方は?
  5. 省エネ住宅の相談先は?
  6. 省エネ住宅に関してよくある質問

この記事を読むことで、省エネ住宅のメリット・デメリット、選び方のポイントなどが分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。

1.省エネ住宅とはどういうもの?

まずは、省エネ住宅がどのようなものなのか、基本情報を知る必要があります。省エネ住宅の基準についても説明しましょう。

1-1.省エネ住宅はどういうものか?

エネルギーの消費が少ない家のことを省エネ住宅といいます。毎日の生活の中で、冷暖房・給湯・家電製品など消費エネルギーは必要不可欠ですよね。特に、冷暖房に使うエネルギーは家庭で消費するエネルギーの約3割を占めており、電気やガス代も高くなります。これらの消費エネルギーを最小限に抑えることを目的としているのが、省エネ住宅なのです。具体的には、床や壁に断熱材を入れたり、気密性の高いサッシやドアを使ったりなどの方法があります。

1-2.省エネ基準などについて

省エネ住宅で必ず押さえておきたいポイントが、省エネ基準です。省エネ基準は、省エネ法により1980年に制定されました。それからもたびたび改正され、主に住宅の省エネルギー性能の評価については下記の基準を用います。

  • 住宅の窓や外壁などの外皮性能を評価する基準
  • 設備機器等の一次エネルギー消費量を評価する基準

これらの基準をクリアしている建築物が、省エネ住宅として認められるというわけです。具体的な基準に関しては、建築省エネ機構のホームページにてご確認ください。

2.省エネ住宅の制度を知ろう!

それでは、省エネ住宅の制度にはどのような種類があるのか、詳しくチェックしていきましょう。

2-1.どんな制度があるのか?

最小限の消費エネルギーに抑えることができる省エネ住宅は、国をあげて推奨している取り組みです。初期費用が高くかかることで知られていますが、地球環境にやさしい家なので、国や自治体からの支援制度が用意されています。大きく分けると、補助金制度と優遇税制の2種類です。それぞれの特徴について、次の項で詳しく説明しましょう。

2-2.補助金制度

補助金制度は、工事費の一部を補助する制度のことです。代表的なものには、BELSという建築物省エネルギー性能表示制度があります。審査基準を満たしかつ省エネ性が認定されると、約30万〜50万円の補助金を受けることが可能です。新築だけでなく、リフォームの場合にも受けられる制度となっています。ほかにも、長期優良住宅にするためのリフォームを行うと、国土交通省から補助金が得られる制度など多種多様です。2018年度の補助金に関しては、省エネ住宅の補助金一覧をご覧ください。

2-3.優遇税制

減税制度は、税金の控除(こうじょ)または減税ができる制度のことです。代表的な制度には、住宅ローン減税があります。長期優良住宅の認定を受けると、住宅ローンを組んだ際にローンの控除を受けることができるのです。一般住宅の最大控除額よりも高額な、最大500万円の控除となります。ほかにも、登録免許税・不動産所得税・固定資産税などの軽減が可能です。

2-4.省エネ制度の条件をチェック!

補助金と優遇税制が受けられる条件には、どんな内容があるのか代表的な例を紹介します。たとえば、BELSの場合は、住宅性能表示制度によって家の省エネ性が認められなければなりません。省エネ性が認定された上で、住宅の性能を証明する書類を申請する必要があります。一定の省エネ性能を満たすことが条件になっているのです。
また、長期優良リフォーム補助金の場合は、耐久性があり、地震に強く、省エネ性が高く維持管理がしやすい長期優良リフォーム済みの住宅を購入することが条件となります。申請前に、条件を必ず確認しておきましょう。

3.省エネ住宅のメリット・デメリットを解説!

よりよい省エネ住宅にするために、メリット・デメリットをきちんと把握しておきましょう。

3-1.主なメリットは4つ!

省エネ住宅の大きなメリットは、全部で4つあります。
1つ目は、寒暖差が小さいことです。断熱性・気密性の高い資材を使用しているため、季節による寒暖差が小さくなります。つまり、夏は涼しく、冬は暖かい家にすることができるのです。
そのため、2つ目のメリットである光熱費の節約が実現できます。エアコンなど冷暖房を使用せず、自然エネルギーの利用が多くなるのです。よって、無駄な消費エネルギーを減らし、光熱費の節約につながります。
3つ目は、環境にやさしいことです。自然エネルギーを使用することで、二酸化炭素の発生量を減らし、地球にやさしい住宅となります。年々、深刻になっている地球温暖化対策に有効といえるでしょう。
4つ目は、遮音性・耐久性が高いことです。気密性・断熱性が高くなると、外からの音が遮断でき、結露の発生も抑制できます。建物そのものの耐久性が向上し、安心して暮らすことができるでしょう。

3-2.デメリット

省エネ住宅には、初期費用が高いというデメリットがあります。省エネ住宅を一度は考えたけれど、高額な初期費用で断念するケースが多いのです。確かに、一般的な一戸建てやマンションを購入するよりも高くなりますが、補助金や優遇税制をうまく利用すればある程度費用を抑えることができます。

4.省エネ住宅の選び方は?

省エネ住宅を購入、またはリフォームするためには、設備や建築材などの選択を慎重に行わなければなりません。ここでは、省エネ住宅の選び方について詳しく説明します。

4-1.押さえておきたいたい3つのポイント

省エネ住宅の選び方で押さえておきたいポイントは、断熱性・日射遮蔽(にっしゃしゃへい)性能・気密性の3点です。それぞれの詳細を、下記にて詳しく説明します。

4-1-1.断熱性

夏は外気からの熱で室内温度が高くなり、冬は冷気で寒くなります。外と室内の温度差が広がるほど、冷暖房の使用頻度も多くエネルギーを消費しがちです。しかし、壁・窓・屋根・床など外皮設備を通した熱の移動が少なくなると、効率のよい冷暖房ができ、エネルギーが消費できます。断熱性は、熱の移動を少なくさせる手段の1つです。

4-1-2.日射遮蔽性能

日射遮蔽とは、室内の温度を上げる外部からの日射熱を防ぎ、室温の上昇を抑えるために行うことです。たとえば、軒を長くしたり、グリーンカーテンを作ったりという方法があります。住宅の日射遮蔽性能は、ηA(イータエー)値で表し、この数値が低くなるほど省エネ性能が優れている証拠です。

4-1-3.気密性

断熱性と共に重要視されているのが、気密性です。住宅にすき間があると、そこから外気が入り込み、室内と室外の熱が移動してしまいます。昔の日本家屋が暑く寒いといわれているのは、すき間が多いからなのです。つまり、このすき間を減らすことで気密性が高まり、快適な住宅が実現できます。

4-2.外気と接する部分に断熱材を施工する

断熱性・日射遮蔽・気密性の3つのポイントを実現するためには、外気と接する部分にしっかりと断熱材を施行することが大切だといわれています。壁や屋根、窓・ドアなどの開口部からは、特に熱の出入りが激しく、省エネ住宅の基準でも大切な要素です。この部分に断熱材をしっかりと施工することで、省エネ住宅の基準もクリアできるでしょう。

5.省エネ住宅の相談先は?

省エネ住宅を実現するためには、業者選びも大切なポイントとなります。安心して依頼できる業者を選ぶためにも、選び方のポイントをチェックしておきましょう。

5-1.省エネ住宅の知識や技術を持つ業者を選ぶ

省エネ住宅の審査基準は、地域によって断熱材の厚みや種類などが異なります。細かく指定されているため、その土地の気質・気候に詳しく、かつ省エネ住宅の知識や技術を持つ業者を選ばなければなりません。省エネ性の評価基準を満たすよう計算できる設計士・建築士を見つけてください。また、補助金・優遇制度に関しても詳しい人がいるか確認すべきポイントです。

5-2.業者選びのポイントをチェック!

省エネ住宅の知識と技術の有無を踏まえた上で、下記のポイントにもチェックし業者を慎重に選んでくださいね。

  • スタッフの対応が丁寧でスピーディー
  • 施工事例がホームページ等に記載されている
  • 無料相談・無料見積もりを受けつけている
  • 親身になって話を聞き、的確なアドバイスをくれる
  • 見積書の内容が細かく記載されている
  • 口コミ・評判がいい

さまざまな住宅のリフォームを行っている株式会社テンイチでは、省エネリフォームに関する相談を受けつけています。省エネ住宅を検討している方は、ぜひ1度ご相談ください。

5-3.悪質業者にだまされるな!

押し売りを行うリフォーム業者には十分に気をつけてください。突然、家にやってきては、「省エネ住宅に興味ありませんか?」「リフォームをするなら今がチャンスです!」など、謳(うた)い文句で契約を迫る特徴があります。最終的に、不良施工され料金を高く取られてしまうのです。きちんと省エネ住宅について説明をせずに契約を迫ろうとする業者は悪徳業者の可能性が高いので注意してくださいね。

6.省エネ住宅に関してよくある質問

省エネ住宅に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.地域の省エネ基準を確認する方法は?
A.一般社団法人 日本サステナブル建築協会の住宅の省エネルギー基準(早分かりガイド)がおすすめです。また、国土交通省の住宅・建築物の省エネルギー基準もぜひ参考にしてください。断熱材の種類・厚みだけでなく、工法や仕様も地域によって異なるので事前に確認しておきましょう。

Q.省エネ住宅のリフォーム内容には、どんなものがあるのか?
A.窓・ドア・外壁・屋根・天井・床などに断熱材を入れたり、太陽光発電などエコ住宅設備を設置したりするなどの方法があります。省エネ性を高めるリフォームはさまざまなので、知識が豊富な業者を見つけ相談してください。

Q.一般的な住宅よりも、どのくらいの節約が可能なのか?
A.設備や建築材によって異なりますが、日本経済新聞によると、省エネ住宅は一般住宅よりも約30年間で270万円ほどの節約が可能だといわれています。長く住むことになる住宅なら、エコ仕様のリフォームを検討すべきでしょう。

Q.新築の際、必ず省エネ住宅にしなければならないのか?
A.省エネ基準に適合するよう義務づけられるのは、2020年からです。2020年までの新築なら、旧基準となります。しかし、市場価値が高いのは新基準に適合した住宅となるため、今後のことを考えると、新基準で省エネ対策をしっかり取っておいたほうがいいでしょう。

Q.性能表示制度とは?
A.省エネ住宅を選ぶときの参考になる制度です。欠陥住宅などのトラブルを防ぐ「住宅の品質確保の促進等に関する法律」によって創設されました。性能表示制度には、新築の場合、10分野29項目の評価項目があります。省エネ性を確かめる際は、温熱環境という項目で評価するのです。詳細は、一般社団法人 住宅性能評価・表示協会のホームページで確認してください。

まとめ

いかがでしたか? 省エネ住宅の大きなメリットは、断熱性・耐久性に優れ、夏は涼しく冬は暖かい環境が維持できることです。最小限のエネルギーで快適な生活が送れるため、エネルギー消費量を抑え光熱費の節約につながります。初期費用は一般住宅よりも高くなりますが、補助金・優遇税制などの制度も充実しているので、それらを利用すれば費用を抑えることができるでしょう。経験豊富な施工業者に相談してみてください。

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