マンションの外壁補修について知る! 種類やタイミング・費用は?
「外壁にひび割れが発生している」「タイルや塗装がはがれてきている」など、外壁の劣化が気になってきたとき、外壁補修を検討するオーナーさんは多いでしょう。外壁補修はマンションの大規模修繕の中でも特に重要な工事です。なぜマンションの外壁補修が必要なのか、外壁補修の種類にはどのようなものがあるのか、知っておく必要があります。この記事では、マンションの外壁補修をするタイミングや工事の流れなどを詳しくご紹介しましょう。
- マンションの外壁補修はなぜ必要なのか?
- マンションの外壁補修の種類は?
- マンション外壁補修工事の流れと費用
- マンションの外壁補修に関するよくある質問
この記事を読むことで、マンションの築年数別に必要な補修内容や工事期間の目安・業者の選び方などが分かるはずです。ぜひ参考にしてください。
1.マンションの外壁補修はなぜ必要なのか?
まずは、マンションの外壁補修が必要な理由や補修するタイミングについてご紹介します。
1-1.日々劣化するマンションの寿命をのばす
外壁補修は、マンションの寿命をのばすために必要な工事です。マンションの外壁は日々、雨風や紫外線・気温の変化などによってダメージを受け続けています。劣化がすすんで耐久性が失われると防水性が低下して雨水が内部に浸入し、構造部分が腐食することもあるのです。外壁補修は、そうしたダメージから建物を保護し、マンションの性能を維持するために、定期的に行う必要があります。
1-2.外壁塗装は10年に1回、防水・鉄部は5年に1回が理想的
外壁補修工事を行うタイミングについても知っておきましょう。築年数別に必要な補修内容の目安をご紹介します。
- 築4~5年:鉄部塗装・防水保護塗装
- 築10年:鉄部塗装・防水・外壁塗装・シーリング打ち替え
- 築15年:鉄部塗装・防水保護塗装
- 築20年:鉄部塗装・防水・外壁塗装・シーリング打ち替え
上記からも分かるように、外壁塗装は10年に1回、防水加工や鉄部塗装は5年に1回の頻度で行うのが理想でしょう。
2.マンションの外壁補修の種類は?
マンションの外壁補修には、塗装やタイル張り・コンクリート補修などがあります。それぞれの詳細をまとめました。
2-1.塗装
外壁塗装に使われる塗料には、見た目の美しさを維持するだけでなく、雨風や紫外線などによるダメージから建物を保護する役割があります。防水機能を維持して建物を守るためには、定期的な塗り替えが必要です。
2-2.タイル張り
最近はタイル外壁のマンションも増えてきているため、外壁修繕としてタイルの張り替えが行われる場合もあります。タイルには比較的メンテナンスしやすいという特徴がありますが、何年も放置して劣化がすすむとタイルが剥離して落下してしまう可能性もあるのです。修繕工事ではタイルを一つ一つたたいて「浮き」をチェックし、剥離の可能性がある場合はタイルの張り替えをします。浮きはなくても軽いひび割れなどがある場合は、下地とタイルの間に樹脂を注入して補修することになるでしょう。
2-3.コンクリート補修
ほとんどのマンションは鉄筋とコンクリートで造られていますが、年月月とたつとコンクリートが膨張と収縮を繰り返し、ひび割れなどの症状が起こるようになります。このような状態を修復するために、コンクリート修復と呼ばれる修繕工事が行われる場合もあるのです。ひび割れの程度によってエポキシ樹脂低圧注入工法やUカット補修工法などが選択され、コンクリートの欠けや割れに対してはモルタル充填工法などが用いられます。
3.マンション外壁補修工事の流れと費用
マンションの外壁補修工事を行うにあたって、工事期間の目安や工事の流れ・費用相場などを知っておきましょう。
3-1.外壁塗装工事は30~60日、防水工事は8~10日程度かかる
一般的に、マンションの外壁塗装工事には30~60日、防水工事には8~10日ほどかかるといわれています。もちろんマンションの規模によって差が出るため、さらに長くかかる場合もあるでしょう。また、悪天候が続くと工事がいったん中断される可能性もあります。そのため、ある程度の余裕を持ってスケジュールを組むのがおすすめです。
3-2.外壁補修工事の流れは?
マンションの外壁補修工事は、一般的に以下のような流れで行われます。
- 業者による現地調査
- 足場の設置
- 下地・タイル補修工事
- シーリングの打ち替え工事
- 外壁表面の高圧洗浄
- 補修・塗装工事
- 防水工事
- 引き渡し
3-3.費用相場と費用を抑える方法
マンションの外壁補修工事にかかる費用は、マンションの規模や工事内容・使用する塗料の種類によって大きく変わってきます。外壁塗装工事の目安としては、3階建てマンションで300万~400万円前後、5階建てマンションで480万~650万円前後というところでしょう。また、補修工事にかかる費用は業者によっても異なります。そのため、複数の業者に無料見積もりを依頼し、比較して選ぶのが費用を抑えるポイントです。ある程度の相場を把握しておくことで、損をすることなく補修工事ができるでしょう。
3-4.実績やアフターフォローの内容も重視して業者選びを
外壁補修工事を依頼する業者は、以下のポイントを参考にして選ぶとよいでしょう。
- 豊富な施工実績があるか
- 設計から施工まで一貫して行っているか
- 見積書に不明な項目はないか
- 建設業の許可を得ているか
- 長期工事保証など、アフターフォローが充実しているか
- 予算に合ったプランを提案してくれるか
3-5.入居者への告知を忘れずに
マンションの外壁補修工事を行う際は、必ず事前に入居者に告知しなければなりません。説明会を開く・掲示板にお知らせを貼るなどの方法で、全入居者に工事の目的や期間・注意点などを確実に通知しましょう。工事期間中、ベランダに洗濯物を干すことはできるのか・窓を開けることは可能なのか・臭いはどのくらいするのかなど、きちんと知らせてください。苦情などのトラブル防止にもつながります。
4.マンションの外壁補修に関するよくある質問
「マンションの外壁補修を検討している」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。
Q. マンションの外壁塗装に最も多く使われている塗料は何ですか?
A.現在はウレタン樹脂系塗料やシリコン樹脂系塗料がよく使われています。予算や外壁の状態に合わせて、業者と相談して決めるとよいでしょう。
Q.外壁補修を検討するべき症状には、どのようなものがありますか?
A.ひび割れや塗膜のはがれ・カビやコケ・サビの発生・シーリングの割れなどが気になるようになったら、外壁補修を検討するべきでしょう。また、外壁を触ると手に白い粉が付く場合も注意が必要です。
Q.外壁に小さなひび割れがありますが、すぐに補修したほうがよいでしょうか?
A.幅0.3mm以内のヘアークラックであれば、急いで補修する必要はありません。マンションの大規模修繕に合わせて補修してもよいでしょう。
Q.外壁補修業者には悪徳業者も存在するというのは本当ですか?
A.残念ながら存在します。不安をあおって必要のない工事をしたり高額な追加料金を請求したりする業者もあるため、十分注意してください。
Q.マンションの大規模修繕工事は何年ごとに行えばよいのですか?
A.築12~13年目に最初の大規模修繕工事を行い、その後は10~15年ごとを目安にして行うマンションが多くなっています。
まとめ
いかがでしたか? マンションの外壁補修を行うタイミングや種類・工事の流れなどをまとめてご紹介しました。マンションの外壁は建物を守る大切な役割を果たしています。適切なタイミングで補修工事をすることで、マンションの寿命をのばしてあげましょう。ぜひこの記事を参考にして、いつどのような補修工事をするべきか考えてみてください。