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浸水被害の現状は? 外構の浸水対策と業者選びのポイントを解説!

昨今は全国各地で浸水被害が増加していることから、浸水被害に備えるための外構リフォームが注目されています。「対策をしなければならないけど、どのようにすればいいのか」など、外構の浸水対策について分からないことが多く悩んでいる方も多いことでしょう。外構における浸水対策の方法やポイントを把握しておけば、適切な浸水対策を施すことができます。

そこで、本記事では、外構による浸水対策の方法などを紹介しましょう。

  1. 浸水被害の現状
  2. 外構による浸水対策の方法
  3. 外構施工業者を選ぶポイント
  4. 浸水対策と外構に関してよくある質問

この記事を読むことで、外構施工業者を選ぶポイントも分かります。悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

1.浸水被害の現状

まずは、浸水被害の現状をチェックしておきましょう。

1-1.台風や集中豪雨による浸水

昨今の日本は、台風や集中豪雨による浸水被害が多数報告されています。令和元年の台風19号では、豪雨によって広範囲に被害が及びました。各地で河川の氾濫や崖崩れなどが発生し、死者96名・行方不明者4名・住居の全半壊等が27,684棟・住居浸水が59,716棟と甚大な被害を記録しています。浸水被害の主な原因は、集中豪雨による堤防の決壊です。堤防が決壊すると住宅街まで水が入り込んでしまい、床下・床上浸水の被害に遭ってしまいます。水だけでなく泥・ゴミまでも流されて住宅内に押し寄せてくるため、水が引いた後に残るのは泥やゴミだらけになってしまうのです。

1-2.短時間に激しく雨が降る「ゲリラ豪雨」

台風や豪雨だけでなく、最近は短時間に激しく雨が降るゲリラ豪雨も増えています。ニュースでもゲリラ豪雨によってあっという間に床下浸水したという話をよく耳にするようになりました。近年は、気候変動やヒートアイランド現象などの影響によって台風や前線が活発化するだけでなく、狭い範囲に短時間で猛烈に降る雨も増えてきています。特に、都市部を中心に発生しやすいゲリラ豪雨は、地下鉄・地下街・マンションなどの出入口が被害を受けやすい傾向があるので注意しなければなりません。ゲリラ豪雨はいつどこで起きるか分かりにくい・浸水対策など対応する時間が少ない・低い土地に甚大な影響を及ぼす点が特徴です。

1-3.降雨による浸水被害が増加している

前述したように、気候変動などによって台風や豪雨が昔よりも起こりやすくなっています。国土交通省が発表した東京都における10年間(平成11~20年度)の水害統計によると、洪水・内水氾濫等による被害額は約260億円・内水氾濫による被害額が約1,800億円です。局地的な豪雨が頻繁に発生していることもあり、内水氾濫による被害が大きいことが分かります。
なお、氾濫の種類は大きく外水氾濫と内水氾濫の2種類です。外水とは河川の水のことを指しており、河川自体の水位が上昇して起こる水害を外水氾濫といいます。そして、内水は堤防より外の市街地などに降る雨を指しており、降雨量が下水排水や貯留施設など雨水の処理能力を超える水害が内水氾濫です。

2.外構による浸水対策の方法

ここでは、外構による浸水対策の方法を解説します。

2-1.コンクリート塀で自分の家を守る

外構に浸水対策をしっかり施すことで、床上・床下浸水を未然に防げます。外構の浸水対策にはさまざまな方法がありますが、中でも浸水に対して対抗力が高いといわれているのがコンクリート塀です。コンクリート塀を建物のまわりに設けることで、水深数10cm程度の浸水対策に十分な効果を発揮します。また、建物自体を防水性のある建材などで囲むことも可能です。建物への浸水被害を低減させたい方は、コンクリート塀や防水性のある建材などを活用してみてはいかがでしょうか。

2-2.玄関等の出入口に止水板を取り付ける

浸水対策として、玄関等の出入口に止水板を取り付ける方法があります。止水板とは、水の浸入を防ぐための長い板です。ゴム製の止水板が一般的ではありますが、コンクリート製のものもあります。止水板は取り付けと取り外しが簡単で素材によってはサビ・腐食に強い、収納時にかさばらない点がメリットです。浸水対策として土のうを使用するケースはよくありますが、止水板は急な設置でも比較的手間がかからないので利便性に優れています。土のうよりも浸水対策効果が高い点は、止水板の大きなメリットといえるでしょう。

2-3.木造住宅等は基礎との接合を強化する

木造住宅といった自重の軽い建物の場合、水上上昇によって建物が浮力で浮き上がる恐れがあります。そのため、浸水対策として基礎との接合を強化しなければなりません。基礎部分の工事は費用が割高になりますが、より水害に強い建物にできるでしょう。また、基礎との接合を強化するほか、建物の基礎部分を高くする方法もあります。基礎を高くすることで一般的な住宅よりも1階床が高くなり、浸水を未然に防ぐことができるでしょう。

2-4.敷地をかさ上げ(盛り土)する

敷地をかさ上げすることも、外構における浸水対策の1つです。水は高いところから低いところに流れる性質を持っているため、周囲の地形によっては自分の敷地に水が流れやすくなるケースがあるでしょう。その場合、盛り土によって敷地全体を上げ、自分の敷地に水が集まらないようにする必要があります。ただし、土工事は、一般的な水害対策よりも高額になるケースがほとんどです。開発申請が必要なケースや高さの制限なども考慮する必要があるため、慎重に工事を進めたほうがいいでしょう。

2-5.外壁リフォームも大事

浸水対策は外壁リフォームも大切なポイントです。外壁は太陽から降り注ぐ紫外線や雨風にさらされており、建物の中でも劣化スピードが早い場所として知られています。経年劣化によって外壁材に微細なひび割れが発生すると、そこから雨水が浸入しては雨漏りが発生してしまうのです。特に、豪雨等の場合は壁面への雨粒のあたりがとても強いので、室内に雨水が浸入してしやすくなります。外壁の劣化が進行していたり、10年以上塗り替えをしていなかったりする場合は、外壁リフォームを行ったほうがいいでしょう。

3.外構施工業者を選ぶポイント

ここでは、外構施工業者を選ぶポイントを解説します。

3-1.浸水対策の実績があるか

外構施工業者を選ぶ際は、これまでどのような浸水対策や外構工事を施してきたのか、浸水対策の実績があるかチェックしてください。実績のある外構工事業者ほどさまざまなケースに対応できるでしょう。また、実績のある業者は腕のいい職人がそろっているので、その建物の状況に合った浸水対策を行うことができます。悪質な外構施工業者は適当に工事をしたり、必要な作業工程を飛ばしたりする恐れがあるので要注意です。ホームページ等に施工事例が記載されているかどうかもしっかりとチェックしておきましょう。

3-2.現地調査を行っているか

見積もりや工事を始める前に、しっかりと現地調査を行っているかどうかも外壁施工業者選びでチェックしておきたいポイントです。現地調査では、建物がどのような状況になっているのか、どのような工事を行えば水害を防ぐことができるのかなどを確認します。建物の外構や周辺地域の状況も確認することで、より効果的な浸水対策が実施できるでしょう。特に、浸水対策においてハザードマップや地形を確認することがとても大切です。現地調査で外構工事業者がその点もしっかり考慮してくれるかチェックしておきましょう。

3-3.スタッフの対応が丁寧でスピーディーか

浸水対策のために外構工事業者と入念な打ち合わせを重ねることになるため、スタッフの対応が丁寧でスピーディーかどうかも、外構工事業者選びの大切なポイントです。スタッフの対応が悪かったり、すぐに対応してくれなかったりする業者は、安心して依頼できません。工事中にハプニングが起きた際でも、すぐに対応してくれる外構工事業者を選びましょう。親身になって話を聞いてくれる・疑問にも分かりやすく説明してくれるところは安心して依頼できます。

3-4.見積書の内容が具体的に記載されているか

水害対策のリフォームや外構工事を行う際、最も気になるのが費用面でしょう。予算内に抑えることができるのか、どのくらいの費用がかかるのか……など気になっている方は多いはずです。そのため、外構工事業者を選ぶ際は、見積書の内容がしっかりと記載されているかもチェックしてください。悪質な外構工事業者は、金額を見積書に詳しく記載せず、工事後に高額な追加費用を請求するケースがあります。金銭トラブルは悪質な業者でよくあるトラブルですので、事前の確認が必要です。あらかじめ、追加費用が発生するケースもチェックしておくといいでしょう。

4.浸水対策と外構に関してよくある質問

浸水対策と外構に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.浸水被害に備えるために自分でできることは?
A.まずは、建物の塀を見直してみてください。豪雨の際にどこから雨水が流れてくるのか、どのあたりに水たまりがたまりやすいのかなど、塀だけでなく外構まわりもチェックしておくといいでしょう。塀が傾いていないか・外壁にひび割れが起きていないかなど、日ごろからチェックしてください。また、ハザードマップを確認しながら浸水対策を立てることも大切なポイントです。日ごろから建物や付近の状況を確認しておくことで、より適切な浸水対策を立てることができます。

Q.車が水没しないようにするための対策は?
A.駐車スペースを建物と同じ高さに設けることです。道路面と同じ高さに駐車スペースがある家庭は多いですが、それだと水害時に車も水没してしまう危険があります。道路面と同じ高さではなく、盛り土をしている建物と同じ高さに駐車スペースを設置することで水害対策になるでしょう。また、防水性の高いガレージ専用のシャッターを設けるのも方法の1つです。止水能力が高いシャッターが登場しているので、ガレージや車庫を持っている方は設置を検討してみてはいかがでしょうか。

Q.外構の浸水対策にかかる費用はいくらぐらいか?
A.対策方法によって異なりますが、主な費用は以下のとおりです。

  • コンクリート塀の設置:約1万~1.5万円/㎡
  • コンクリート基礎工事:約0.4万~1万円/㎡
  • 止水板の設置:約26.8万~66.9万円

あくまで目安となるため、具体的な費用に関しては外構工事業者に問い合わせてください。予算内で収めたい方は、予算に関してもしっかり伝えておくといいでしょう。予算内でどのような浸水対策ができるのか、どのような作業にいくらかかるのかきちんと説明を受けて納得してから正式に依頼してください。

Q.浸水被害に遭ったらどうすべきか?
A.浸水被害に遭った場合、写真でしっかりと残しておきましょう。スマホやデジタルカメラでも構いませんので、被害の状況を記録しておかなければなりません。浸水被害を理由に公的な支援を受けたり、加入している火災保険等の保険申請をしたりするときに被災を証明する書類が必要になるからです。なお、なるべく建物の全景を被災状況が分かるように撮影してください。浸水した深さや被害箇所も細かく撮影しておくと安心です。

Q.地域の外構工事業者に依頼するメリットは?
A.トラブルが発生したとしてもすぐ対応してもらえたり、コミュニケーションが密に取れたりできるメリットがあります。また、近い場所に外構工事業者があると、業者側が運搬する際のコストが下がるので工事費用を抑えられる点もメリットです。静岡・浜松・沼津のリフォーム・リノベーションで60余年の実績を誇っているテンイチでは、無料相談を受け付けています。浸水被害の対策でお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。

まとめ

近年、台風や前線の活発化・ゲリラ豪雨の頻発などによって河川が氾濫し、浸水被害が増加しています。浸水被害で特に多いのが、床下・床上浸水です。氾濫によって住宅内に水が入り込みやすくなるため、浸入を防がなければなりません。そこで、外構の浸水対策が大切なポイントになります。外構でしっかりと浸水対策を施しておけば、水が住宅内に浸入することもありません。外構の浸水対策に力を入れているリフォーム業者も多いため、一度相談してみてください。

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