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シックハウス症候群とは? 原因物質や予防対策を徹底的に解説!

頭痛や目・のどの痛み、吐き気、めまいなどがひどい場合、もしかしたらシックハウス症候群になっているかもしれません。特に、リフォーム直後や新築の家に引っ越してきてから症状が現れた場合は、可能性が高いといえるでしょう。シックハウス症候群とはどんなものなのか、気になっている方も多いはずです。

本記事では、シックハウス症候群の特徴や予防対策について解説します。

  1. シックハウス症候群とは?
  2. シックハウス症候群の原因物質は?
  3. シックハウス症候群の予防対策は?
  4. シックハウス症候群に関してよくある質問

この記事を読むことで、シックハウス症候群の原因や対処法などが分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.シックハウス症候群とは?

まずは、シックハウス症候群がどのようなものなのか、基本情報や特徴をチェックしておきましょう。

1-1.室内で発生する化学物質が原因で起きる健康障害

シックハウス症候群は、住宅建材から室内に発生する揮発性化学物質などが原因で起きる健康障害のことです。主な健康障害の症状としては、頭痛・目とのどの痛み・吐き気・めまいなどがあります。特に、新築やリフォームした住宅に入居した途端起こりやすい症状で、健在や家具だけでなく、日用品などからもシックハウス症候群の原因となる化学物質が発生しているのです。なぜシックハウス症候群になるのか具体的な部分は解明されていませんが、化学物質の濃度が高い空間に長く暮らしていると、健康に大きな悪影響が出る恐れがあります。

1-2.子どもや高齢者がいる家庭は要注意

シックハウス症候群になりやすいのは、免疫力が弱い子どもや高齢者とされています。汚染物質や化学物質が漂っている部屋に長時間いることで、少しずつ健康面に悪影響が生じ始めるのです。主な症状は頭痛・目とのどの痛み・吐き気・めまいなどですが、ほかにも以下のような症状が現れるようになります。

  • 皮膚の紅斑・かゆみ
  • 嗅覚・味覚の異常
  • 過敏性の反応
  • 疲れやすさ・精神的疲労
  • 集中力や記憶力の低下

また、ダニやカビが大量発生することでアレルギー症状を引き起こす危険も高まるでしょう。シックハウス症候群からさまざまな病気を引き起こし兼ねません。

1-3.シックハウス症候群の可能性がある症状

以下の項目に当てはまるほど、シックハウス症候群の可能性があります。

  • 住宅の新築・増改築・改修や新しい家具を導入してから症状が出るようになった
  • 特定の原因や症状が医学的に解明されている明らかな中毒・アレルギーなどではない
  • 問題となった場所から離れると症状がまったくなくなるか軽くなる
  • 特定の部屋や建物内で症状が出る
  • 室内空気汚染が認められる

なお、体内に入った化学物質は自律神経や中枢神経の働きに影響を及ぼす恐れがあります。自律神経失調症や更年期障害と同じような症状が現れるので、身に覚えがある方も注意が必要です。

2.シックハウス症候群の原因物質は?

それでは、シックハウス症候群の原因物質をチェックしておきましょう。

2-1.建材・家具・日用品などから発生する化学物質

シックハウス症候群の主な原因は、住宅などに使用されている健在や家具・日用品から発生するさまざまな化学物質です。特に、ダニアレルゲン・ホルムアルデヒド・クロルピリホスと呼ばれる化学物質や建築材料などがシックハウス症候群に大きな影響をもたらしているといわれています。それぞれの特徴は以下のとおりです。

  • ダニアレルゲン:家の中にたくさんいるチリ・ダニ・その糞(ふん)や死がいなどの総称。喘息(ぜんそく)などの主なアレルギー症状の原因になる
  • ホルムアルデヒド:特異な臭気があり、粘膜を刺激する建築材料。ホルムアルデヒドを含んだ建築材料を多く使用するようになったため、問題視されている
  • クロルピリホス:シロアリ駆除などを目的とした有機リン系殺虫剤として広く使われていた化学物質

2-2.高くなった住宅の気密性

現在の住宅は、気密性が高くなっています。従来の日本家屋はすき間風が入り込みやすく、気密性が低かったので空気が滞ることはありませんでした。けれども、住宅の高気密化・高断熱化などが発達するほどに、化学物質に夜空気汚染が起こりやすくなっているのです。さらに、住宅の気密性が高くなることで室内の湿度も高くなり、カビ・ダニ・細菌が繁殖しやすくなっています。そこで、冬場によく使う石油ストーブ・ガスストーブから発生する一酸化炭素。二酸化炭素・窒素酸化物などの汚染物質が放出されると、有害な化学物質が室内に漂うことになるのです。住宅の高気密化・高断熱化は快適な生活を手に入れることができますが、シックハウス症候群のリスクも高くなる恐れがあります。

2-3.ライフスタイルの変化・換気不足

ライフスタイルの変化や換気不足も、シックハウス症候群の原因といわれています。高機密化・高断熱化も関係していますが、換気の頻度が少なくなり、有害物質を外へ逃がすことができません。最近は、物騒な世の中になっているため、戸締まりをしたり、室内にいても窓を開けたりすることがほとんどないでしょう。昔とは違うライフスタイルだからこそ、室内に悪い空気が漂ってしまいやすくなります。花粉や黄砂が飛んでいるときはなかなか換気できないかもしれませんが、窓を開けなくても空気清浄機などを使えば、有害物質を少なくすることはできるでしょう。工夫しだいによって、シックハウス症候群の原因となる化学物質が除去できるのです。

2-4.室内濃度指針値が定められている化学物質

シックハウス症候群の原因となる化学物質は、室内濃度指針値が定められています。室内濃度指針値とは、厚生労働省が建築由来の揮発性有機化合物の発生量を抑制するために定めた室内空気中の濃度指針値です。ほとんどの化学物質は、建材・塗料・接着剤などに使われています。シックハウス症候群を避けるためにも、室内濃度指針値が定められている主な化学物質を指針値とともにチェックしておきましょう。

  • ホルムアルデヒド(100):合板・パーティクルボードなど
  • トルエン(260):接着剤・塗料の溶剤および希釈剤など
  • キシレン(200):接着剤・塗料の溶剤および希釈剤など
  • パラジクロロベンゼン(240):衣類の防虫剤・トイレの芳香剤など
  • エチルベンゼン(3800):接着剤・塗料の溶剤および希釈剤など
  • スチレン(220):ポリスチレン樹脂・ABS樹脂・合成樹脂塗料等に含まれる高分子化合物の原料
  • テトラデカン(330):灯油・塗料等の溶剤

3.シックハウス症候群の予防対策は?

ここでは、シックハウス症候群の具体的な予防対策を解説します。

3-1.建材・家具・日用品などから発散する化学物質を減らす

シックハウス症候群の主な予防対策は、建材・家具・日用品などから発散する化学物質を減らすことです。化学物質の摂取を避けるために、普段から殺虫剤・防虫剤・消臭剤は使わないように心がけましょう。症状の原因と思われる建物や部屋から遠ざかるのが1番いいですが、すぐには対処できないところがあります。すぐにできる方法としては、原因と思われる家具などを撤去することです。そして、化学物質が出ているであろう壁紙・建材を取り除く工事計画を進めましょう。時間がかかるかもしれませんが、化学物質を排除する効果的な方法です。

3-2.こまめな換気を心がける

すぐにできる予防対策としては、こまめに換気することです。換気は有害物質を外に逃がす最も効果的な対策だといわれています。換気扇を使用したり、窓を開けたり、できれば毎日換気を心がけてください。窓を開けるときは、2か所以上開けることで空気のとおり道ができるので有害物質を外に逃がすことができます。また、石油ストーブやガスファンヒーターを使うときは、燃焼時に炭酸ガスなどの有害物質が発生するため、使用中は30分に1回程度の換気が必要です。せっかく暖めた空気を逃がしたくない気持ちも分かりますが、ずっと閉めたままにしていると体によくないので注意してください。

3-3.カビ・ダニ対策も忘れずに

カビやダニもシックハウス症候群の原因となる有害物質です。そのため、カビ・ダニ対策も忘れずに徹底しておきましょう。住宅環境・日常生活でカビ・ダニの発生原因と思われる点を明らかにしてください。そして、原因箇所を改善し、換気や掃除などでカビ・ダニを未然に防ぎます。特に、湿気はカビとダニを繁殖させる大きな原因となるため、できるだけ湿気をため込まないようにしましょう。雨の日が続く時期は窓を開けることもできないので、除湿機や空気清浄機を併用するのがポイントです。また、ダンボールなどは湿気がこもりやすいため、置いたままにせず処分してください。

3-4.普段の生活も細心の注意を払う

自分でできるシックハウス症候群の予防対策として、普段の生活に注意を払うようにしてください。たとえば、汗をかくことで体の中に入った化学物質を外に出すなどです。体の中に入ってしまった化学物質は汗とともに体外に排出されます。日ごろから適度な運動をしたり、温かめの風呂にゆっくり入浴したりするなど、汗をかきましょう。また、規則正しい生活を送り、睡眠時間を十分に取ることも大切な予防対策です。規則正しい生活を送ることでストレスが感じにくくなります。ストレスは体の抵抗力を弱める原因になるため、気分転換をしながらストレスフリーの生活を送りましょう。

4.シックハウス症候群に関してよくある質問

シックハウス症候群に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.シックビル症候群とは?
A.ビルの中にいる人の多くが同時期に体の不調を訴える現象のことですシックビルディング症候群とも呼ばれており、欧米諸国では1980年代に社会問題になりました。シックビル症候群の主な原因は、空調システムの運転が抑制されたことによる換気不足です。換気不足になった結果、室内空気が汚染され、シックビル症候群に陥る人が増えました。

Q.家から離れると症状は消えるのか?
A.家や部屋・会社などの室内環境から離れると症状が軽くなったり消えたりすることがあります。ただし、家から離れると絶対に症状が消えるわけではありません。シックハウス症候群の症状は、どのようなメカニズムで起こるのかハッキリと解明されていないのが現状です。家から離れると症状が消えたり、同じ場所に戻ると症状が再発したりする場合は、室内環境に原因がある可能性は高いといえるでしょう。

Q.湿度をほどよく保つポイントは?
A.換気を心がける・日照を利用する・換気システムを活用するなどがあります。キッチンや浴室・トイレなど換気設備を活用して、汚れた空気を定期的に外へ排出するようにしましょう。また、太陽光には乾燥と殺菌の効果があります。畳・カーペット・寝具などの日光干しを行い、常に乾燥状態を維持し続けることも大切なポイントです。さらに、高気密住宅の場合は強制換気システムがついているケースがあります。強制換気システムを活用すれば、室内空気と外気を入れ替えることができるでしょう。

Q.リフォームなどをする際のチェックポイントは?
A.設計時、増改築部分の工事中に発生する空気が居室部分に流れ込まないように計画してもらいましょう。また、工場ですでに生産された建材を使用することで、現場で塗装作業を行わずに済みます。できるだけ、塗装作業・接着作業を減らすことで有害物質の発生が抑えられるのです。施工時は、常に換気装置を稼働させることが大切なポイントとなります。そして、リフォームを行った部屋に居住するまで期間を置いてください。十分な換気と通風を行うことで、有害物質による悪影響を最小限に抑えることができます。

Q.住宅性能表示制度とは?
A.共通のルールで住宅の性能を評価・表示する制度です。新築住宅の場合、住宅性能表示をしっかりとチェックし、設計工事の段階で検査することになります。内装材のホルムアルデヒド放散量や完成時の化学物質濃度を測定するためには大切なことです。

まとめ

シックハウス症候群は、建材や家具・日用品などから発生する化学物質によって起こる健康被害のことです。最近の住宅は高気密化・高断熱化が進んでいることもあり、換気不足による化学物質の室内発散量が問題視されています。特定の部屋にいると頭痛・吐き気・めまいがする場合は、シックハウス症候群の可能性があるでしょう。症状を抑えるには、シックハウス症候群の原因となっている化学物質の発生量を少なくすることが大切なポイントです。

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