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耐震診断とは? 具体的な内容・依頼方法・流れなどを詳しくご紹介


幾度かの震災で建物が倒壊し、耐震について考える機会が増えていると思います。地震への備えとして、耐震診断を受けてみてはいかがですか? 基準に満たない場合は、耐震補強なども行わなければなりません。建物の安全を確保するためにも、耐震診断について知っておきましょう。

  1. 耐震診断とは?
  2. 耐震診断の内容
  3. 耐震診断で利用できる補助金制度
  4. 耐震診断を依頼するには?
  5. 耐震診断でよくある質問

耐震診断にかかる費用が不安な方は、補助金制度などに関する知識も身につけておくと安心です。耐震基準は以前と変わりました。改定後の基準に適合する建物か、耐震診断で見極めてもらいましょう。

1.耐震診断とは?

まず、耐震診断とはどのようなものかを見ていきましょう。

1-1.専門家による調査

耐震診断は、専門家による建物の安全性を確かめる調査です。屋内外で、非破壊調査や目視での調査を行います。床下や屋根裏までチェックする場合もあるでしょう。外壁の材質やひび割れ・屋根の重量・雨漏りなどを確認します。

1-2.一般耐震技術認定者が行う

耐震診断は、耐震技術認定者講習会を受講した一般耐震技術認定者が行います。3年に1回更新が義務付けられている認定資格です。耐震診断に関する知識や技術が豊富で、しっかりとした診断を行ってくれるでしょう。耐震診断の際に、認定証を提示してもらえます。

2.耐震診断の内容

耐震診断は、どのような調査を行うのでしょうか? 具体的な内容をご紹介します。

2-1.予備調査

耐震診断では、まず予備調査を行います。建物の劣化・増改築・修復履歴・設計図書などをチェックするのです。予備調査の内容を踏まえ、現地調査を行い、より詳しく耐震性能を調べます。

2-2.現地調査

現地調査では、目視調査・設計図書の確認・修復履歴などをチェックし、診断レベルを判断します。診断レベルに応じ、より詳しい検査を行うのが一般的です。

2-3.第一次診断

第一次診断は、比較的簡単な検査です。主に、壁式RC造の建物を対象としています。柱や壁の断面積から建物の重量を算出し、耐震指標を判断する方法です。

2-4.第二次診断

第二次診断は、柱や壁に破壊が起こることで、耐震に影響を及ぼす建物を中心に行います。鉄筋の劣化も考慮し、構造に問題がないかを評価する方法です。

2-5.第三次診断

第三次診断は、柱・壁・鉄筋の断面積から終局耐力を算出し、梁の強度も考慮して診断します。建物の水平耐力を算出するため、難易度の高い診断方法です。

3.耐震診断で利用できる補助金制度

耐震診断では、補助金制度を利用できる場合があります。制度について知っておきましょう。

3-1.自治体によって補助金制度の内容が異なる

多くの自治体では、耐震診断に関する補助金制度を導入しています。しかし、補助金制度の内容や給付額は、自治体ごとに異なるので注意してください。また、年度ごとに改訂している場合もあります。

3-2.耐震診断を受ける際にも補助金を受け取ることができる

自治体が定める条件を満たしていれば、耐震診断を受ける際にも、補助金の給付を受けることができます。給付額や条件については、自治体の窓口に確認してください。

3-3.耐震改修工事費用の一部が助成される

耐震診断で認定を受けた建物は、耐震改修工事費用の一部が自治体から助成される場合があります。ただし、自治体ごとに助成額や条件が異なるため、事前に確認が必要です。

3-4.耐震改修工事後に受けられる制度

耐震改修工事後は、所得税や固定資産税の優遇を受けることができます。

3-4-1.所得税

  • 耐震改修工事費用の1割相当を所得税から控除(25万円を上限とする)
  • 昭和56年6月より前に竣工(しゅんこう)された建物が対象
  • 確定申告の際に申し出る必要がある

3-4-2.固定資産税

  • 固定資産税が半額になる(1戸あたり120平方メーター相当が上限)
  • 昭和57年1月1日より前に竣工(しゅんこう)された建物が対象
  • 耐震改修工事完了後、3か月以内に自治体の窓口に申告をしなければならない
  • 工事にかかった費用が50万円以上である場合が対象

4.耐震診断を依頼するには?

耐震診断の依頼から診断までの流れをご紹介します。

4-1.耐震診断を手がける業者に見積もりを依頼する

まず、耐震診断を手がける業者に問い合わせをし、費用の見積もりを出してもらいましょう。業者によって技術が異なるため、費用だけで判断せず、実績なども考慮して比較することが大切です。

4-2.日時を相談して決める

業者の選定を行ったら、契約書を交わします。契約書は、内容に不備や疑問点がないかきちんと確認してください。耐震診断を行う日程を決めます。都合のいい日時を相談しましょう。

4-3.耐震診断の流れ

耐震診断は、以下の流れに沿って行います。

  1. 予備調査
  2. 設計図書(一般図・構造図)の確認
  3. 診断レベルの設定
  4. 第一次調査もしくは第二次調査に進む
  5. 耐震診断における数値の設定
  6. 耐震診断の計算を行う
  7. 総合的に耐震性能を評価する

 設計図書がない場合は、業者に申し出てください。ない場合でも、耐震診断を受けることはできます。

5.耐震診断でよくある質問

耐震診断でよくある質問を集めました。

Q.会社のビルも耐震診断が必要なのか?
A.はい、必要です。高さのあるビルは、震災などで倒壊した場合、多大なる被害が出ます。安全を確保するためにも、耐震診断を受け、必要に応じた耐震改修工事を行いましょう。

Q.耐震診断の見積もりは無料?
A.見積もりは無料で行っているところが多くなっています。業者のホームページを確認し、問い合わせをしてみましょう。見積もり後に断ると、キャンセル料が発生する業者もあります。料金体系や利用規約をチェックしてください。

Q.補助金制度について事前に相談することはできるのか?
A.はい、できます。自治体の窓口に相談しましょう。事前に利用できる制度を知っておくことで、耐震診断や耐震改修工事のプランを練りやすくなります。また、相談時に補助金制度を受けるための条件も聞いておきましょう。

Q.耐震診断にかかる費用の目安は?
A.建物の種類によって異なります。1平方メーターあたりの費用は、以下を参照してください。

  • RC造(鉄筋コンクリート):1,000〜2,500円
  • S造(鉄骨):1,000〜3,000円

木造の場合、延べ床面積が120平方メーター程度であれば、20〜50万円が目安でしょう。

Q.耐震診断をした後は、業者から改修工事の提案をしてもらえるのか?
A.はい、してもらえます。診断結果を記載した報告書が届き、不足部分や補強が必要な箇所を指摘してもらえるでしょう。的確なアドバイスを受けたいなら、耐震改修工事の実績が豊富な業者を選ぶことが大切です。

まとめ

震災で倒壊した建物が多かったため、以前より耐震基準が高くなりました。また、今後も耐震化率の引き上げをする動きがあります。耐震診断を受け、安全を確かめることが大切です。必要に応じた耐震改修工事も考えてみてください。補助金制度や税制優遇もあります。自治体ごとに制度や条件が異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。