住まいのコンシェルジュ

介護保険を使ってリフォームできる? 申請方法や注意点・リフォーム事例を紹介

「在宅介護のために、家をリフォームしてバリアフリー化したい」と希望する方は多いことでしょう。

平成30年総務省が行った住宅土地統計調査によると、住宅リフォームを行う方の半数以上が65才以上で、多くの方が老後を考慮してリフォームを行なっています。

年を取ると若い頃は気にならなかった段差や傾斜が気になるといった方は多く、中でもトイレやお風呂といった水回りのリフォームは老後を安全に暮らすためにも重要です。

その一方で、「リフォームはしたいけれど経済的に不安」という方もいると思います。

そこで活用したいのが介護保険です。介護保険を使ってリフォームをすれば費用の負担を大きく抑えることができます。

今回は、リフォームを行う際に介護保険を利用する方法や、注意点を見ていきましょう。

この記事はこんな方向け

  • 介護リフォームを検討している
  • 介護保険を利用して介護リフォームを行いたい
  • 要介護の家族がいる

この記事を書いた専門家

テンイチ 管理部 営業企画課


  1. 介護保険でリフォームが可能?
  2. 介護保険をリフォームに利用する条件
  3. 介護保険を利用したリフォームの流れ
  4. 介護保険の適用となるリフォーム工事
  5. 介護保険を使ったリフォームの事例
  6. 介護保険リフォームに関するQ&A

この記事を読むことで、介護保険を受ける条件やリフォームの事例などが分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.介護保険でリフォームが可能?

介護保険とは、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みで2000年に開始されました。健康保険料のように、40才以上の国民が保険料を支払って国の予算と合わせて運用しています。

介護保険というと、介護サービスを利用する際に使う保険というイメージがありますが、住宅リフォーム(住宅改修)にも利用可能です。また、介護保険は国の制度ですので、自治体独自の補助金がある場合は併せて使用することができます。

2.介護保険をリフォームに利用する条件

介護保険を住宅リフォームに利用するには条件があります。ここでは、その条件を詳しく説明していきましょう。

2-1.要支援・要介護認定を受けている

介護保険を利用するには、要介護や要支援認定を受けている必要があります。要介護・要支援を受ける場合には、地域支援包括センターか、自治体の担当窓口で申請をしてください。その後、認定調査を経て認定に至ります。

2-2.介護・支援を目的としたリフォームである

介護保険の対象となるリフォーム工事は、介護や支援を目的としたものです。

一例を挙げると、

  • 車椅子でも利用しやすい水回りにリフォーム
  • 階段や廊下に手すりを設置する
  • 扉を開き戸から引き戸に変更する

などのリフォームが該当します。

「このリフォームは、介護リフォームに該当するのだろうか?」と疑問に思った場合は、ケアマネージャーに相談してみましょう。

2-3.支給限度額基準は20万円

住宅改修に使える介護保険の上限は20万円です。20万円に満たないリフォームの場合は分割利用も可能ですが、原則として住民登録地の住宅1つにつき、1回限りの支給となります。

家に要介護者が複数人いる場合は20万×人数分です。ただし、1か所のリフォーム工事に20万以上支給することはできません。また、転居した場合や、要介護度が3段階上がった場合は再度20万円が支給されます。

3.介護保険を利用したリフォームの流れ

ここでは、介護保険を利用して住宅リフォームを行う流れについて解説します。どのくらいの補助金が下りるのか、決定するタイミングなども紹介しますので、参考にしてください。

3-1.ケアマネージャーに相談する

介護保険を利用して住宅リフォームを行いたい場合は、まずケアマネージャーに相談してください。

相談を受けたケアマネージャーによって、「どのようなリフォームがいいのか」など、ケアプランを作成されます。

ケアマネージャーとともに施工業者をいくつかピックアップし、複数の業者から見積もりを取って適正価格で確かな工事ができる業者に工事を依頼してください。

3-2.リフォーム内容を決定して役所に事前申請をする

リフォームの内容や施工業者が決定したら、以下の書類を役所に提出します。

  • 住宅改修費支給申請書
  • 住宅改修理由書
  • 工事見積書・工事図面
  • リフォーム前の状況が確認できる写真
  • リフォーム後のイメージが分かる図面や写真

この事前申請によって、リフォームの内容が適正かどうかが判断され、支給する額が決定します。

なお、やむを得ない事情で事前申請が難しい場合は工事後の申請も可能となることもあるので、ケアマネージャーや役所に相談してください。

3-3.工事・支払い

事前申請が問題なく通ったら、工事を行います。この際、支払いは一度依頼者が支払うのが原則です。このとき、必ず領収書をもらうのを忘れないでください。

3-4.事後申請と改修費の支給

工事が終ったら、再び役所へ以下の書類を申請します。

  • 工事費の内訳書
  • 領収書
  • 改修前後の状態の分かる図面や写真
  • その他、役所が提出を求めるもの

なお、写真には必ず日付を入れてください。また、賃貸物件で家主の許可を得てリフォームする場合は「住宅の所有者の承諾書」が必要です。

提出した申請書類に不備が無ければ、補助金が支給されます。

4.介護保険の適用となるリフォーム工事

介護保険の適用となるリフォームにはどのようなものがあるでしょうか? ここでは、その一例を紹介します。

4-1.手すりの設置

最も簡単にできるリフォーム工事です。廊下や階段に手すりを設置することで転倒防止になります。費用は3万~5万ほどです。

4-2.段差の解消

家の中の段差を解消することで車椅子でも生活しやすくなります。場所や規模にもよりますが、費用は10万~15万程度です。

4-3.扉の変更

扉を引き戸に交換すれば戸が大きく開くようになり、車椅子でも出入りしやすくなります。費用は10万~20万円程度です。

4-4.水回りの工事

トイレを和式から洋式に交換したり、水回りのスペースを広げて設備を交換したりといったリフォームは、介護リフォームの中でも特に多く行われています。

価格の目安は以下の通りです。

  • 風呂・トイレの断熱工事:10万~20万円
  • 風呂・トイレのバリアフリー工事:50万~100万円
  • 介護用浴槽設置:70万~100万円
  • トイレを洋式にする:10万~20万円

5.介護保険を使ったリフォームの事例

この項では、テンイチが実際に行った介護リフォームの事例を紹介します。

5-1.水回りの改修工事

水回り介護リフォーム

車椅子での利用を考慮し、トイレや浴室・洗面のスペースを広げました。浴槽の床を滑りにくい素材に交換したり手すりを設置したりするなど、安全面にも配慮しています。

5-2.段差をなくす工事

玄関前のバリアフリー工事

凹凸が激しかった玄関前をスロープ化し、手すりを設置する工事です。車椅子でも快適に家の出入りができるようになりました。

5-3.手すりの設置

階段の手すりの設置工事

階段・廊下に手すりを設置する工事を行いました。廊下で転倒するリスクを抑え、階段の上り下りも安全にできるようになっています。

6.介護保険リフォームに関するQ&A

この項では、介護保険を使ったリフォームに関するよくある質問を紹介します。

Q.介護保険を使った場合、ケア施設使用料の自己負担額が増えますか?
A.いいえ。負担が増えることはありませんので、ご安心ください。

Q.家を丸ごと建て直す場合も利用ができるでしょうか?
A.介護を目的とした建替え工事でしたら、補助金の対象となるケースもあります。

Q.急ぎのリフォームは可能ですか?
A.ケースバイケースですので、まずはケアマネージャーに相談してみてください。たとえば、転倒防止に手すりをつける工事ならば、2~3日で可能なケースもあるでしょう。

Q.自治体の補助金と併用したい場合はどうすればいいですか?
A.自治体ごとに申請方法が違いますので、まずは自治体のホームページを確認してみてください。そして、ケアマネージャーに利用できるかどうかを相談してみましょう。

Q.父と母が同時に要介護状態になりました。2人で40万円分の補助を受けられますか?
A.はい。ただし、1工事につき受けられる補助金の額は20万円までですので、ご注意ください。

まとめ

今回は、介護保険で住宅改修(リフォーム)をする方法や注意点を紹介しました。

静岡県で介護リフォームを行っている業者をお探しの方は、ぜひテンイチにご相談ください。地域密着型のリフォーム会社として60年以上の実績を持ち、優良リフォーム会社紹介サイトのホームプロで顧客満足優良会社表彰を3年連続受賞しています。

介護リフォームの実績も豊富ですので、介護リフォームを検討されている方もお気軽にご相談ください。


この記事を書いた専門家

テンイチ 管理部 営業企画課

テンイチでは、お家時間を快適で豊かなものにするために必要なリフォームの知識や役立つ情報を提供し、静岡県内地域のみなさまの暮らしをサポートします。ご相談いただければ、安心のリフォーム工事をご提供いたします。


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