住まいのコンシェルジュ

災害時にはリフォームトラブルが増える? 実際の事例や対処法などを解説

台風や水害、土砂災害で自宅が損傷するケースは決して珍しくありません。2022年9月に発生した台風15号では静岡県内でも静岡市を中心に多くの方が被害に遭われました。

そして、悲しいことですが自然災害後には、住宅修理やリフォームに関連したトラブルの相談が増加します。「自分は大丈夫」と思っていても、被災して短期間で家が大きく損壊してしまえば、「早く直さなければ」と焦ってしまうこともあるでしょう。そんな時、弱みにつけこまれないように気を付けて下さい。

今回は、実際に起こった災害後のリフォームトラブル事例や、リフォームトラブルを防ぐポイント、行政が行う災害支援などについて解説いたします。

この記事はこんな方向け

  • 自然災害で家が破損しリフォームを行いたい方
  • 被災した住宅の修理に行政の補助が出るか知りたい方
  • いざというときのために色々と知っておきたい方

この記事を書いた専門家

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: %E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB.png

テンイチ 管理部 営業企画課


  1. 自然災害後に発生しやすい住宅リフォームのトラブル事例
  2. リフォームトラブルを防ぐには?
  3. 災害時のリフォームに役立つ制度
  4. リフォームでできる自然災害対策
  5. 災害リフォームトラブルに関するよくある質問

1.自然災害後に発生しやすい住宅リフォームのトラブル事例

はじめに、自然災害後に発生した住宅リフォームや修理に関するトラブルの事例を紹介します。どのようなトラブルが発生しているのでしょうか?

1-1.強引な契約を結ばせようとする

自然災害で家が破損すると、「早く修理しなければ」「リフォームしなければ、家がますます傷んで住めなくなるのでは?」と不安に思いがちです。そこに、悪徳業者はつけこみます。

リフォームの費用は業者によって異なりますが、悪徳業者は相場より数倍高い見積もりを出したり、不要な修繕やリフォームを提案したりした上で強引に契約を結ばせようとするのです。

平時ならきっぱりと断ることができても、災害後、「一刻も早く家を直さなければ」と焦っている場合はつい言葉に乗せられてしまうこともあるでしょう。

1-2.修繕詐欺

災害後には、修繕詐欺が増加します。「このような修繕を行うので、先払いで工事費を支払ってください」など、言葉巧みにもちかけ、工事費だけ払い込ませて音信不通になる、相場より高い金額で契約を結ばせたのに簡易的な修理しかしないといった例が報告されています。

1-3.点検商法

点検商法とは「災害で屋根が壊れているかもしれないので無料で点検します」などと言って屋根に上り、「破損が見つかりました。今すぐリフォームしないと」と不安を煽って高額な契約を結ばせます。契約を断ると「契約しないなら点検は有料だ」と高額な料金を請求してくるケースもあるでしょう。

1-4.保険金詐欺

火災保険の中には台風など災害で家が破損した場合に保険金が下りる商品もあります。しかし、老朽化や経年劣化で破損した場合は保険が適応されません。

しかし、悪徳業者は「屋根の破損はどんなものでも火災保険で直せます」と説明し、契約を結ばせようとします。

なお、火災保険が適用になる場合はまず保険金の申請を行い、保険会社の調査員が調査を受けなければなりません。保険金の支払いや修繕工事はその後です。

悪徳業者は、「後でお金は返ってきます」などと言って、とにかく早くお金を払わせようとするでしょう。

1-5.ずさんな修理

業者の中には、リフォームや修理は確かに行うが素人同然の工事をするところもあります。ずさんなリフォームや修理工事はかえって家を傷めてしまい、リフォームのやり直しが必要になるケースも多いのです。

このような業者は、さっさと工事を終えて事務所をたたみ、音信不通になる例もあります。

2.リフォームトラブルを防ぐには?

一度契約を結んで料金を支払ってしまうと、解約や返金には多大な手間がかります。ここでは、災害時のリフォームトラブルを防ぐポイントを紹介しましょう。ぜひ、参考にしてください。

2-1.飛び込みでの点検を了承しない

災害の後は「無料点検を行います」と訪問してくる業者が増えます。このような業者の多くは詐欺や悪徳業者なので、了承してはいけません。中には「行政から依頼を受けています」と言ってくる業者もいますが、そのような場合は必ず自治体から通達が来たり委託を受けている証明書を持っていたりします。

自治体からの通達が来ていない、もしくは身分を明らかにしない場合は、委託がウソの可能性が高いでしょう。

優良な業者の場合は、まず相談会を開いたり家の持ち主から依頼を受けたりしてから点検をします。点検が有料ならばその旨を説明し、了承を得た上で点検を行うはずです。

2-2.訪問営業を相手にしない

悪徳業者は、トーク技術に長けています。話せば話すほど相手のペースに巻きこまれてしまうので、詳しい話を聞かずに断りましょう。玄関先でも家に上げてはいけません。特に、高齢者しかいない時間帯は狙われやすいので注意が必要です。

2-3.見積もりを作らない業者には依頼しない

優良な業者は必ず見積もりを作り、何にどのくらいの費用がかかるか明らかにした上で工事を提案します。しかし、悪質な業者は、見積もりを作らないか作ってもいい加減です。特に、ずさんな修繕工事・リフォーム工事をする業者は下見もせずいきなり工事を始めようとするケースもあります。

2-4.クーリングオフを利用する

万が一契約を結んでしまった場合、訪問販売ならばクーリングオフが利用できます。クーリングオフのやり方は国民生活センターのホームページに詳しく書かれているので、参考にしてください。

悪徳業者の多くが災害後に家へ訪問して契約を結ばせます。クーリングオフを利用できるケースも多いでしょう。ただし、クーリングオフは自分の意思で業者の事務所などに行って契約した場合は適用されないので、注意してください。

3.災害時のリフォームに役立つ制度

災害に遭うと家が破損するだけでなく、生活基盤が大きく揺らぐこともあるでしょう。国は、災害にあった人を支えるために「被災者生活再建支援法」を定めており、それに基づいて「被災者生活再建支援制度」が実施されています。

被災者生活再建支援制度は、家が半壊~全壊した方に「基礎支援金」と「加算支援金」が支給される仕組みです。たとえば、家が全壊した場合は100万円が基礎支援金として支給され、新しく家を購入する場合はさらに200万円が加算支援金として支給されます。

静岡市では、2022年9月に発生した台風15号で被災した方向けに「被災者支援窓口」を設け、支援の案内や支援申請の受付を行っています。下記ページから「住宅の応急的な修理に対する支援」などの申請が可能です。このほか、ホームページからは「被災者支援制度のご案内」もダウンロードできます。

【台風15号で被災された方へ】「被災者支援窓口の開設」と「被災者支援制度のご案内」

4.リフォームでできる自然災害対策

ここでは、リフォームで可能な自然災害対策を紹介します。リフォームをすることで、家を災害に強くすることが可能です。

4-1.耐震リフォーム

築年数が経った家ほど耐震強度は低くなっています。特に、1981年以前に建てられた家は旧耐震基準なので、耐震リフォームがおすすめです。また、築20年以上建った家も、一度、耐震強度の調査をして必要であればリフォームを行いましょう。耐震強度を上げればより強い地震にも耐えられます。

テンイチでも耐震補強工事や軽量瓦へのリフォーム工事などを行っているので、ぜひご相談ください。

耐震補強工事の施工事例

4-2.台風に備えたリフォーム

強い台風に遭遇すると、屋根や窓が破損するケースも少なくありません。屋根材を軽くて耐久性の高いものに変えたり、窓を強化リフォームしたりすることで台風に備えることができます。特に台風の通り道になりやすい地域は、屋根リフォームの際に耐久性の高いものに交換するのがおすすめです。

テンイチでも後付け雨戸工事など、窓を台風の被害軽減するリフォーム工事を実施しています。

台風や風が強い日も安心!後付け雨戸の設置リフォーム

5.災害リフォームトラブルに関するよくある質問

ここでは、災害リフォームトラブルに関するよくある質問を紹介します。

Q.リフォーム業者は一般的に訪問営業は行わないのでしょうか?
A.はい。優良な業者であれば突然の訪問営業は行いません。災害時ならなおさらです。

Q.保険金で屋根が直ると宣伝している業者はすべて悪徳業者でしょうか?
A.そうとは言い切れません。火災保険の中には台風で屋根が損傷した場合は保険金が出る商品もあります。ただし、すべての屋根修理を保険金で賄えると説明するのは、悪徳業者である可能性が高いです。

Q.応急処置のブルーシートなどは自分で屋根にかけられますか?
A.2人以上で作業ができればご自身で行うことも可能ですが、危険を伴いますので原則プロに依頼すべきです。特に、2階建て、3階建ての住宅を未経験の方だけで作業するのは避けたほうが良いでしょう。

Q.クーリングオフは契約を結んで何日までなら可能ですか?
A.訪問販売の場合は、原則として8日になっています。

Q.応急処置はしましたが、すぐに修理しないと不安です。
A.応急処置でしばらくの間は雨漏りを防ぐことができます。焦らずに複数の業者から見積もりを取り、信頼できるリフォーム業者を探してください。

とめ

災害後はリフォームトラブルに巻きこまれる方が増え、そのたびに自治体が注意喚起をしています。

災害の後片付けを行っている最中、「点検」や「格安修理」を訪問して提案してくる業者の多くは、悪徳業者である可能性が高いです。

雨漏りが酷い場合でもブルーシートをかけるなどの応急処置をすれば、しばらくは持ちます。リフォーム業者を選ぶ際は、複数の業者から見積もりを取り検討しましょう。

テンイチでも、台風15号による被害を修繕するリフォーム等を受け付けています。災害によって屋根や壁が壊れてしまった、次の災害に備えて家をリフォームしたいという場合は、お気軽にご相談ください。


この記事を書いた専門家

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: %E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB2-1.png

テンイチ 管理部 営業企画課

テンイチでは、お家時間を快適で豊かなものにするために必要なリフォームの知識や役立つ情報を提供し、静岡県内地域のみなさまの暮らしをサポートします。ご相談いただければ、安心のリフォーム工事をご提供いたします。


0120-037-114 無料ご相談はこちらへ